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更新日:2023年8月4日

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老後2,000万円問題を考える(1) 2,000万円の意味は何?根拠は?(くろまめ)

皆さんこんにちは。年金受給者をはじめ、今の現役世代にも大きな衝撃を与えた年金の話といえば、「老後2,000万円問題」ではないでしょうか。

2,000万円という莫大な数字が与える衝撃が大きいですが、あなたはこの「老後2,000万円」が意味することを正しく理解できているでしょうか。

もしあなたが、老後2,000万円問題=「老後の生活で2,000万円足りなくなるってことでしょ」と思っているのであれば、それは正しい理解とは言えません。

このテーマで見落としてはいけない本当に大切なことは何なのか。今回のささやきで一緒に考えてみませんか。

「老後に2,000万円足りなくなる」は全ての人に当てはまるものではない

まず、「老後2,000万円問題」の発端を振り返ってみましょう。老後2000万円問題は、2019年の金融庁の報告書が発端となりました。

この報告書によると、2017年の高齢夫婦無職世帯の平均収入から平均支出を引くと毎月5.5万円の赤字が発生するそうです。毎月5.5万円の赤字が30年間続くと、2,000万円の赤字になるというケースを紹介していました。

老後の資金に悩む夫婦のようす

しかし、このケースで用いられている数値は、2017年の平均値から算出した金額です。では、その平均値だけを取り上げて、その計算が全ての人に当てはまると考えるのは、早急すぎるのではないでしょうか。

用いるデータによって金額は1,945万も変わる

ちなみに、2020年の家計調査を基に同じ計算をすると、収入から支出を引いた差額は毎月1,500円で、30年間で55万円しか不足しないという結果になります。

おや。2,000万円とあまりにかけ離れた数字ですね。これは、2020年はコロナ禍の影響で給付金をもらった家庭が多かったこと、旅費や食費など支出を減らした家庭が多かったといった背景があるので、この年が通常と比べて特殊だったと言えるでしょう。

しかし、ここで伝えたいことは、どの年のデータを使うかでこれだけ試算結果が異なるということです。つまり、2017年で試算した「2,000万円」について、その根拠は絶対ではないということです。

大切なのは「自分の場合は」老後いくら必要なのか考えること

何歳まで働くのか、貯蓄はいくらあるのか、毎月の出費はいくらなのか、などなど、経済状況は10人いれば10通り、100人いれば100通りあるわけです。つまり、「自分の場合は老後いくら足りなくなるのか」を考えることが重要です。

年金暮らしになってからの余生が長くなっているのは間違いない事実です。ですから、元気なうちからしっかりと老後を見据えてマネープランを考えなければなりません。

次回は、例を使ってマネープランの立て方を考えていきます。マネープランの立て方は、読めば自分でもすぐにできるように分かりやすくお伝えできればと考えているので、楽しみにお待ちいただければと思います!

 

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