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取手市は令和2年8月3日、「気候非常事態宣言」を表明し、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた取組を進めています。その取組の一つとして、毎年、「気候非常事態宣言」を発出した8月に「地球温暖化防止対策講座」を開催しています。
令和4年8月20日(土曜日)、取手ウェルネスプラザ1階多目的ホールにて、「令和4年度取手市地球温暖化防止対策講座」を開催しました。
当日は、市民など約170名(ライブ配信も含む)が参加。講師には「アマタツ」の愛称でおなじみの気象予報士、天達 武史(あまたつ たけし)氏を招き、「天気の達人から見た地球温暖化」と題して講演していただきました。
また、今回の講座は、取手市公式YouTubeチャンネルにて講座会場をライブ配信するハイブリッド開催を実現し、自宅等の離れた場所からであってもオンラインで講座に参加することを可能にしました。
冒頭の市長の挨拶では、「取手市では、令和2年8月3日に全国で27番目になる気候非常事態宣言を発出しました。近年、山火事や台風をはじめ、異常気象が発生する頻度が高まっていると感じています。最新の事例を盛り込んだ興味深いお話をお伺いすることを大変楽しみにしています」といったお話がありました。
講師の天達 武史(あまたつ たけし)氏が異常気象や地球温暖化などについて、事実に基づいた資料や体験談、クイズを交えて分かりやすく次の内容をお話していただきました。
天気予報とは、いかに「観測」を的確に行うことができるかどうかが重要であり、「観測」の精度によって「予報」の的中率が左右されることになるとのお話がありました。
その他にも季節によって的中率が異なることなど、天気予報の仕組みや見方について、気象予報士ならではの視点で分かりやすく説明していただきました。
局地的な豪雨や雷、竜巻、ひょうやあられなどの異常気象の恐ろしさとその対処法について、映像や音声を通して教えていただきました。
また、異常気象が原因で発生する恐れのある建物の損害や道路の冠水といった様々な災害に対して、「防災の3K(気づく・考える・行動する)」を意識して行動できるようにしましょうといったお話がありました。
今世紀末には世界の平均気温がどう変化してしまうのか、シュミレーターを使った予測について解説していただきました。
「通常、植物や水等が二酸化炭素等の温室効果ガスを吸収するが、人間の活動により温室効果ガスが増えすぎてしまい地球温暖化が進んでしまっている。現状以上の地球温暖化対策を行わなかった場合、平均気温が2.6度から4.8度上昇し、約1mの海面上昇現象が起こってしまう」といった説明がありました。
このような現象を抑えるために、「緩和策と適応策を考え、今までの生活の常識を変え、気候変動に適応していかなければならない」「地球をより良くするために積極的に国が情報発信しながら支援してほしい」と呼びかけていました。
海が二酸化炭素を吸収していることを証明するため、ペットボトルと水を使った実験を行いました。水が半分ほど入ったペットボトルに二酸化炭素を入れ、ふたを閉めて一定時間振ってみると、ペットボトルが凹み、水が二酸化炭素を吸収する現象を見せていただきました。次に、同じ水に再び二酸化炭素を入れ一定時間振ってみると、ペットボトルは凹みませんでした。「これは水が温室効果ガスを吸収する限界量に達したことを証明する結果であり、この状態が将来地球でも起こり得ると考えられるが、それがいつになるのか現状ではわからない。温室効果ガスはすぐにはなくならないので結果が出るのは地球温暖化対策を始めて20年から30年後になる。そのため、今、生活常識を変えていく必要がある」と参加者へ呼びかけていました。