現在位置 ホーム > 月・木・SAY 職員のささやき > 会計課 > くろまめ > 老後2,000万円問題を考える(3)マネープランのポイントは老後の収入と支出額の把握(くろまめ)
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老後のマネープランを立てるには、老後の収入と支出を把握することが大切です。今回は、老後の収入と支出について紹介します。自分の場合はどうなるか考えながら読み進めてもらえればと思います。
総務省統計局で2020年に実施された家計調査によると、65歳以上夫婦のみの無職世帯における年金を含む社会保障給付の収入は平均21万9,976円です。また、定年のない自営業の人や、定年退職後も高齢者雇用や企業の相談役として働く人は、働いた分の収入を得ることができます。そのほかにも持ち家や土地を貸している人は家賃収入が、私的年金に加入していた人なら企業年金や個人年金保険などの受給分が、老後の収入として加わりますね。
65歳になると、国民年金だけの人は老齢基礎年金、厚生年金に加入していた人は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受け取れるようになります。
(注意)老齢年金を受け取るためには、受給資格期間が10年以上あることが必須です。10年に満たない場合、老齢年金は受け取れないのでご注意ください。
年に1回、自分の誕生月に届く「ねんきん定期便」には、現在の老齢年金額が記載されているので参考にしてみてください。
もらえる年金額の計算式は非常に複雑なのでここでは割愛しますが、20歳から60歳まで国民年金の保険料を全て納めたかたは、満額の老齢基礎年金が受け取れます。令和4年度の老齢基礎年金は78万900円なので、もらえる年金額は1ヶ月あたり約6万5,000円となります。
厚生年金に加入していたり、付加年金や国民年金基金に加入していたかたは、その分もらえる年金額に上乗せされます。
自分の年金受給額を計算して「少ないな・・・」と感じれば、早いうちから老後に備える行動を起こすと良いでしょう。
自分の老後の収入額が分かったら、次は支出額を把握しましょう。老後の自分の生活はなかなか想像しにくいかもしれません。参考までに、2020年の家計調査から、単身世帯の65歳以上の消費支出を載せます。
このほか、税金や社会保険料などの非消費支出で1万1,541円。合計すると14万4,687円となります。ちなみに、夫婦(2人)世帯の場合は1ヶ月あたりの支出額は約25万5,550円だそうです。
年齢を重ねると、常備薬や医療機関の保険診療代を含む「保健医療費」や自宅で過ごす時間が増えて「水道光熱費」が増えてきます。
上で紹介したのは、生活に必要な費用です。このほかにも、たとえば以下のような支出が考えられます。
子供や孫がいるなら、子供の結婚や孫の誕生などライフイベントに伴うお祝いがあるでしょう。
マイホームを購入している場合、家は老朽化するので、メンテナンスが必要になります。また、高齢化に対応するためバリアフリーにするなど、リフォームが必要になることもありますよね。
他にも、
などが挙げられます。たとえば、厚生労働省調査の「令和元年度 介護保険事業状況報告」によると、75歳以上の人は全体の31.9%の人が要支援・要介護の認定を受けています。75歳以上の約3分の1が、介護認定を受けているのですね。さて、介護保険制度を利用する場合、介護認定を受けると、介護サービスの自己負担額は、概ね介護費用の1割から3割と言われています。生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」によると、月々の介護費用の平均自己負担額は約7万8,000円だそうです。
また、葬儀代については、自分が亡くなったときのために、エンディングノートに希望の葬儀法を記し、家族に負担をかけないように自身で葬儀代を準備しておく人が多いようです。葬儀代の平均額は約184万円、葬儀費用に約119万円、飲食代に約31万円、そして返礼品に約34万円の費用がかかるそうです。
今回紹介したのは、あくまで一般的な収入と支出項目です。記載した金額も、あくまでも世間一般の平均や目安にすぎません。ただ、ご自身の老後の暮らしを支える収入にはどんなものがあるのか、支出としてどんなものがあるのかは、イメージできたのではないでしょうか。
ここまでお読みいただいたら、自分の老後の収入と支出について計算してみてはいかがでしょうか。