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更新日:2023年2月24日

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2023年4月から!「繰下げみなし増額制度」って?対象者と具体例も紹介(くろまめ)

繰下げみなし増額制度は、70歳以降80歳未満の間に本来受給の老齢年金を請求する場合に、5年前に繰下げをしたとみなす増額制度です。

この制度で得をするのは、以下の両方を満たすかたです。

  • 現在年金の繰り下げ待機中である
  • 現在70歳以上80歳未満である

対象者

  1. 昭和27年4月2日以降生まれの方(令和5年3月31日時点で71歳未満の方)
  2. 老齢基礎・老齢厚生年金の受給権を取得した日が平成29年4月1日以降の方(令和5年3月31日時点で老齢基礎・老齢厚生年金の受給権を取得した日から起算して6年を経過していない方)

(注意)80歳以降に請求する場合や、請求の5年前の日以前から障害年金や遺族年金を受け取る権利がある場合は、特例的な繰下げみなし増額制度は適用されません。

なぜ繰下げみなし増額制度ができたの?

老齢期年金の請求には5年の時効があります。例えば、65歳から年金を受け取れる人が71歳になってから繰り下げ受給を選択しないで年金請求をすると、5年時効のルールが発動し、66歳まで遡って65歳時点の年金額が支給されます。つまり、65歳から66歳までの年金は時効により消滅してしまうのです。

こういったことを回避するための制度が「繰下げみなし増額制度」です。

この制度を上の例に当てはめると、71歳で繰り下げ受給を選択しないで年金請求を行った場合、5年前の66歳時点で繰下げ請求をしたとみなされます。

そうすると、66歳で繰下請求した年金額を受け取ることになり、65歳から66歳までの時効で消滅してしまった年金を無駄にすることなく受け取れるというわけです。

繰下げみなし増額制度の具体例

それでは実際に繰下げみなし増額制度を使える場合と使えない場合で、もらえる年金額がどのように変わるのか見てみましょう。

今回は2024年4月1日で71歳を迎えるAさんと、2022年4月1日に71歳を迎えたBさんに登場してもらいます。それぞれ71歳の誕生日に自分の老齢年金を繰り下げせずに請求すると仮定します。

2024年4月1日に71歳を迎えるAさんの場合(繰下げみなし増額制度が使える)

Aさんが71歳で老齢年金を繰下せずに請求すると、繰下げみなし増額制度が適用されて66歳に繰下げ受給をしたとみなされます。
老齢年金を繰り下げると、1カ月あたり0.7%増額になります。
つまりAさんの場合は、0.7%×12カ月=8.4%増額となった年金額をこれから生涯にわたり受け取ることができます。

2022年4月1日に71歳を迎えたBさんの場合(繰下げみなし増額制度が使えない)

Bさんが71歳の誕生日を迎えたときに老齢年金を繰下せずに請求すると、年金請求5年時効のルールが発動します。
そのためBさんは65歳まで遡って年金請求をすることはできず、66歳まで遡って65歳時点の年金を生涯にわたり受け取ることになります。
つまりBさんの場合は、65歳から66歳までの1年分の年金は受け取れないということになります。

今回の法改正は、70歳以降のかたが老齢年金を請求する際に、繰下げ請求するか繰下げせずに請求するか、選択肢が広がったと言えるかもしれません。ただし、個人的には繰下げみなし増額制度が適用されない年代のかた(2023年4月1日時点で71歳以上のかた)は、年金請求する時点で繰下請求を選択することをおすすめします。

 

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