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市報「広報とりで」2013年11月15日号に掲載した市長コラムです。
このほど姉妹都市となっている米国カリフォルニア州のユーバ市を20人の中学生、1人の高校生、姉妹都市友好協会の方(かた)と訪問してまいりました。旧藤代町時代に開始されたこの交流が25年間続いているのは姉妹都市友好協会の皆さまの国際交流への熱意と面倒見の良さがあってのことであり、心より感謝申し上げるとともに、貴重なつながりを大切に発展させていきたいと考えております。
とりわけ、このプログラムの優れたところは、多感な中高生をホームステイで受け入れてくれるところにあります。ホストファミリーの家族の中に入ることで、同世代の米国人の家族関係、生活感覚などを体験できることは得難いことです。私自身は、中学3年の時の初めての米国滞在でご家族の数代前から現在に至るまでの写真が大切に額縁に入れられ廊下に飾られていたことを鮮明に覚えています。今回参加した中高生の心には何が残ったのでしょうか。反省会で報告してもらうことになっています。今回の訪問がきっかけとなって国際的視野に立った進路設計を考える人も出てくるかなと期待しています。
さて、私どもが米国に滞在していた間も、健康保険の導入をめぐっての米国国民の間の深刻な考え方の溝についての報道が飛び交っていました。私も、一生懸命、テレビニュースにかじりついてみましたが、久しく英語を聞く生活から遠ざかっていたため、ヒアリング力の不足と語彙(ごい)の決定的不足により、正しく理解することは困難でした。
外国人が時事問題を音声で聞き分けるのは相当難しいことを改めて痛感しました。しかしながら、米国のテレビ番組の場合、ほぼ全てクローズドキャプションと言われる字幕表記を呼び出すことができます。文字が出てくるスピードが速いので大変ですが、意味の類推ができますし、理解する上で役立ってくれたことは間違いありません。
しかし、テレビ報道において、なぜ、字幕表記が標準化されているのかにこそ、アメリカの文化や規格を考えるヒントがあります。聴覚障碍(しょうがい)者の人にも、健常者と同量・同質の情報を行きわたらせるのがメディアの標準ということであり、英語を母語としない国民が増加してきているといった事態への対応策もあるわけです。生徒たちがこういう生活基盤の違いまで思いを致してくれれば、発見であり、成長かなと思っております。