ここから本文です。
令和7年11月18日から、取手市役所取手庁舎2階、市民協働課にAI音声認識と感情解析を活用したカスハラ対策システムを試験的に導入しました。リアルタイムでモニタリングを行う対面のカスハラ対策としては自治体初の取組みとなります。
(補足)カスハラとは、カスタマーハラスメントの略です。顧客等からの暴言や悪質なクレーム等の著しい迷惑行為のことを指します。
令和7年6月に公布された改正労働施策総合推進法では、カスハラ対策が全企業や自治体に義務付けられました。また、総務省では、地方公共団体向けに職員へのカスハラの実態把握調査の実施や相談体制整備、研修の実施などを盛り込んだガイドラインを示しています。
取手市では、株式会社アドバンスト・メディアとの音声テック関連技術連携協定に基づき、AI音声認識や生成AIの活用による業務改善等に取り組んでいます。
今回、閉鎖的な空間での相談業務において職員の心理的安全性を確保するための環境整備として、AI音声認識に感情解析を同時に活用したカスハラ対策システムにより、リアルタイムでモニタリングを行う対面のカスハラ対策の試験運用を開始しました。
「相談室」「面談室」など、閉鎖的な空間での相談業務に精神的プレッシャーや不安を感じる場面や、複数の職員による相談対応ができない状況があります。
AI技術の活用により、相談内容を可視化し、室外にいる職員が状況を把握できるシステムの整備によって、相談対応職員へのカスハラ抑止やストレス軽減、対応品質の向上などを図ります。
対応内容の記録と可視化を支援するもので、相談者と対応職員とのやりとりがAI音声認識によって自動でリアルタイムに文字起こしされます。
音声認識結果は、相談業務に当たる室内だけでなく、室外に配置したパソコンにも表示されます。相談者が不適切な言葉を発したり(音声認識)、感情が高ぶった状況が続いた際(感情解析)は、アラートが表示され、室外からのフォローをいち早くできるものです。
また、オフライン環境下で利用可能なスタンドアローン方式で運用するため、記録された情報が外部に出るリスクはなく、安全に管理できます。
さらに、対応履歴は「日時」や「キーワード」などの条件で検索でき、蓄積したデータを証跡として活用できるほか、AIを用いた高度な会話分析を行うことで、カスハラを誘発する言動の傾向を可視化することが可能となります。

アラートが表示されている様子(画像左側)