現在位置 ホーム > 月・木・SAY 職員のささやき > 市長・副市長・教育長 > 副市長 伊藤 哲 > 【埋蔵文化財センター企画展】「涅槃図」に託された7,000人のおもい(副市長 伊藤哲)
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副市長の伊藤哲です。先日、取手市埋蔵文化財センターに赴き、開催中の第55回企画展「文化財に託されたおもい-取手市指定有形文化財『絹本金箔地刺繍釈迦涅槃図』詳細調査と市内の文化財-」を拝見いたしました。
取手市には様々な文化財が存在しております。今回の企画展は、令和6年度から詳細調査を進めている、取手市指定有形文化財「絹本金箔地刺繍釈迦涅槃図(けんぽんきんぱくじししゅうしゃかねはんず)」を中心に、市に所在する文化財の価値や、それらが守り伝えられてきた背景に迫る内容でした。
本企画展の目玉とも言える展示資料「絹本金箔地刺繍釈迦涅槃図」は、お釈迦様が亡くなった様子を描いた、市内の信楽寺(しんぎょうじ)に伝わる掛け軸であり、高さ約3.6メートル、幅約2メートルというその巨大さにまず圧倒されました。しかし、この涅槃図の特筆すべき点は、その全体が刺繍によって描かれていること、そして作成のために費用を寄進した7,000人以上もの寄進者の名前が記されていることです。刺繍の涅槃図は全国でも約20例ほどと大変希少であり、このことからも取手市が誇るべき貴重な文化財であることが伺えます。
今回の調査によって、寄進者が市内に留まらず、利根町や龍ケ崎市といった県南地域から、現在の三重県津市にあたる地域まで広がっていたことが明らかになったと知り、大変驚きました。
7,000人もの人々の願いやおもいが、約350年の時を超え、この涅槃図に宿っていると考えると、感慨深いものがあります。当時の人々が仏教への信仰を通じて、地域を超えた繋がりを持つとともに、未来へと受け継がれた涅槃図は、人々の信仰心や「おもい」を今に伝える貴重な歴史的資料です。今後はこうした文化財を我々が守り、後世へと引き継いでいかなくてはならないと改めて感じました。
企画展は、令和7年10月26日(日曜日)まで開催中です。市民の皆様も、ぜひこの機会に埋蔵文化財センターへ足をお運びいただき、先人たちが守り伝えてきた取手市の歴史に触れてください。
企画展の詳細については、以下のページをご覧ください。
埋蔵文化財センター第55回企画展「文化財に託されたおもい-取手市指定有形文化財『絹本金箔地刺繍釈迦涅槃図』詳細調査と市内の文化財-」を開催します(別ウィンドウで開きます)