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このページでは、小中学校に通うお子様とその保護者の皆様に向けて、家庭での食育に役立つ情報を配信していきます。お子様のいるご家庭は一緒にご覧いただき、ご家庭での食育にお役立てください。
私たちが毎日生きていくために「食べること」は欠かせません。毎日食べている食べ物は、多くの動物や植物の命をいただくことで成り立っています。「いただきます」というあいさつには、食べ物の命をいただくことや、生産者の人たちや食事を作ってくれる人などに対する感謝の気持ちも含まれています。
「いただきます」は、「もらう」「食べる」の丁寧な言いかたです。漢字では、「頂く、戴く」と書き、頭の上に捧げ持つことを意味しました。このことは、何か大切なものをもらったときに、「ありがとう」の気持ちを表す動作です。
また、食べ物はもともとはすべて生き物でした。牛や豚、魚や鶏などの動物、米や野菜などの植物にはそれぞれ命があります。「いただきます」は、食事ができること、すべての命に対して「ありがとう」という言葉でもあります。
「馳走(ちそう)」は、「かけまわる」という意味があります。人にもてなすために汗を流して食べ物を集め、かけまわるようにして食事の準備をしてくださった人たちの苦労をねぎらい、感謝する気持ちが込められています。
給食にかかわっている人たち。画像の出典は、「茨城県の特色を活かした食に関する副読本」。
戦争中や戦後の日本は、食べ物が不足していました。そのため、栄養失調や飢えで亡くなった人々もたくさんいました。少ない米の量で食いつなぐために、いもや豆を入れたり、水の量を多くして雑炊にしたりしていました。すいとんは、米が不足していたので小麦粉で作っただんごを入れた汁です。食料を増やすために子どもたちが学校で畑を耕して作った作物を入れることもありました。肉もなくだしもありませんでした。子どもたちは毎日のようにお腹をすかせていました。戦後は保存性が高く、栄養価が優れた脱脂粉乳が出されました。子どもたちの体格は今の子どもたちと比べてとても小さく、脱脂粉乳により栄養を補給していました。
世界の8人に1人は飢えています。飢えとは、身長に対して体重が不足し、軽い活動に必要な栄養が摂れない状態が続くことです。1日に1度しか食事を摂れない子どもや食べるものがなく何日も食べ物を食べられない子どもが多くいます。病気にかかりやすくなり、軽い病気でも命を落としてしまうこともあります。
まだ食べることができる食べ物を捨てています。日本人は1日1人当たりにすると、おにぎりで1個から2個分を捨てています。これは小学校高学年の子ども1日分の栄養量に換算すると、毎日1千万人分もの食べ物を捨てていることになります。
わたしたちの食事は、多くの人がかかわって支えられ、命をいただくことで成り立っています。残すことは命を粗末にすることです。残さずに食べましょう。